発表会前日・当日の過ごし方について(声楽編)

こんにちは。声楽/ボイストレーニング講師の下倉結衣です。

「発表会」その言葉を聞いただけで緊張しませんか?私もオペラやコンサートの時は、本当に緊張します。

特に声楽は他の楽器とは異なり、客席に向かって歌います。聞いてくださる方々のお顔が、目に入り余計に緊張してしまいます。

今回は、発表会で練習の成果が出せるよう、前日や当日の過ごし方について、私の経験を踏まえてお話いたします。

【前日】
発表会前日、私はあまり長い時間歌わず、30分程度にとどめる事にしています。なぜなら発表会前日は多少なりとも緊張しています。同じ時間歌っていても、普段よりも声が疲れてしまう可能性があるからです。前日に練習しすぎて、声の疲れが取れないまま当日を迎えて、思うように声が出せなかった、という場合も少なくありません。ですので、私は30分だけ、20分だけと時間を限定して練習するようにしています。その後は楽譜を見たり、曲の歌詞を紙に書いて暗譜の確認をしたり、歌詞を呟いたりするだけにしています。
そしてもう一つ、発表会の前日は良い睡眠を取るための一日を過ごすように心がけています。歌は身体が楽器ですので、精神的な疲れも肉体的な疲れも、全て声に出てしまいます。根詰めた作業などは控え、胃に負担がかかる食べ物なども避けるようにします。寝る前にはゆっくりとお風呂に浸かってから、早めに就寝するようにし、身体が元気な状態で次の日を迎えられるようにしています。

【当日】
当日は、発表会で歌う時間から逆算して、4~5時間前位までに起きるようにしています。身体が楽器ですので、声も起きるのに少し時間がかかります。起床後は軽くストレッチをしたり、散歩したりして、身体をリラックスさせます。それからゆっくりと発声練習をして声を温めてから、演奏する曲を1回程度もしくは気になる部分のみ少し歌います。声を出せる環境にない場合は、呼吸法(鼻から息を吸って口から吐く、歯と歯の間からスーと息を吐く等)をして呼吸を整えます。
発表会の会場へ着いた時や自分の出番を待っている時は、余計に緊張することと思います。その際は「鼻から息を吸って口から吐く」をゆっくり何度も行います。出来れば出番の直前だけではなく、少し前から呼吸を深くするように心がけると良いかと思います。声を出せなくても、上記のような呼吸をしているだけで、心が少しずつ落ち着いてきます。
また当日は緊張によって、身体に力が入っていますので、首や肩を回して、少しストレッチをするのも効果的かもしれません。

発表会と聞くと緊張してしまうかもしれませんが、緊張するのが普通です。緊張しないようにするのではなく、緊張している自分を受け入れて、呼吸を整えて舞台に向かえば、きっと良い演奏ができるはずです。

以上、私の経験からお話させて頂きました。ご参考にして頂けましたら、嬉しいです。

下倉結衣
(センター南教室・声楽/ボイストレーニングクラス担当)

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