みなさんこんにちは!木山舞子です。
前回の「楽しくなる楽譜の読み方①〜前置き〜」に続き、今回からはそのための具体的なアイディアを挙げていきたいと思います。
まず、楽譜を楽しむために、そして少しでも楽に読むために、新しい譜面をもらったら最初にやってほしい事があります。
それは「譜面から少し身体を離して、楽譜全体を見渡してみる」こと。
いきなり最初の音を見て、片っ端からドレミを読み始めないで下さいね!
音楽は建築物のように、バランスよく出来ています。
ひとつひとつの音を読む前に「音形」に注目してみて下さい。
よくよく見ていると、
・この小節とこの小節は同じ音だな
・この部分とこの部分は、リズムが一緒だな
・この部分とこの部分は、一見気が付かないけれど、音形が鏡に映したように左右対称になっているな…
などの気づきがないでしょうか?
つまり「共通するモチーフ」が存在するという事です。
それに気がついたら、思い切って楽譜に色を塗ってみましょう。(この時、練習に使う楽譜に直接書き込むのでなく、コピーをとるなどして、思いっきり書き込んで下さいね!)
同じ音形、もしくは同じリズムのところには同じ色を塗ってみましょう。
「共通するモチーフ」の中には、
音名までまるまる同じパターンと、
形は同じだけれど音は違うバージョンが出てくることがあります。
その際は、色の濃淡を変えてみたり、同系色で揃えたりして「仲間」であることを意識してみても良いですね。
↓同じリズムの小節に色を塗ってみました。
↓下行音形に黄、上行音形に青で色塗りしました。順次進行には矢印も書き加えてくれました☺️
こうして塗り分けていくと、楽譜に綺麗な規則性が見えてくる事があります。
塗り方も自由です。ただ小節を塗りつぶしても良いし、綺麗に形を作って塗っても良いです。「共通するモチーフ」を見つけるという目的さえ果たしていれば、あとは各々楽しく仕上げて構いません。
まるで絵探し絵本で遊んだり、お絵描きしているような楽しいアイディアで、小さい子にも簡単にできますよね!
シンプルな事ですが、これで譜読みはまず随分と簡単になります。
「ここも、ここも、同じ!」
とわかると、沢山の音を読まなきゃ、リズムを読まなきゃ、という気持ちが和らいで、楽になるのではないでしょうか?
そして、大切なのは、この作業が全くお楽しみだけというわけでなく、音楽の形式を理解するためにとても大事な視点になるということです。
いわゆるクラシック音楽は西欧でその基礎が形作られましたが、西欧世界では左右対称でバランスのとれた形が美しいとされるからです。
結果、共通するモチーフは形式と深い結びつきが出てきます。
このように「楽譜の読み方」には、音を読む、リズムを読むだけでない、全体の構成をとらえるという読み方があるという事が分かりますね。
楽譜を読むということは本来このように気楽なもので、難しいものではなく、色とりどりの絵画のように「鑑賞する」ことができるものであると感じてもらいたいなと思います。
さて、今回は「共通するモチーフ」についてお話しをしました。
次回は、それとは逆の、、、「変化していく音」についてお話ししたいと思います。
次回
「楽しくなる楽譜の読み方③~変化していく音~」に続く
“楽しくなる楽譜の読み方②~共通するモチーフを探そう~” への1件の返信
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