おすすめバイオリン音階練習教本の特徴と比較

こんにちは。木山音楽教室ヴァイオリン講師の早川愛美です。

随分と季節が変わりましたね。夏が大好きな私は、蝉の声が聞こえなくなったことに少し寂しさも感じています。

吉迫楓莉先生の音階練習方法についてのブログ(バイオリンの音階練習方法〜左手編〜同右手編)に続き、今回は具体的な音階練習の教本を3つ、ご紹介します

1.「ヴァイオリン音階教本:小野アンナ著」

ヴァイオリンレッスンで音階練習をやろうとなった時、まず使う教本がこの「ヴァイオリン音階教本:小野アンナ著」です。

ただしヴァイオリンを始めたばかりの方にはまだ早く、始められるタイミングとしては大体お使いの教本(スズキメソードなど)の2巻が終わったあたりからになります。※おおよそですので、始めたい方はもう少し早くからでも始められます。

1オクターブ・2オクターブ・3オクターブの単音練習、重音は3度・6度・8度(オクターブ)・10度の音階が載っていて、指の場所や形といった基本をしっかりと覚えていける教本になっています。

この教本の後には、セヴシック、カールフレッシュといった教本に進みます。

2.「セヴシック:ヴァイオリン教本」

セヴシックは、沢山の種類がありますが、音階を含めて、右手・左手それぞれの基礎的な練習をするための教本です。

例えば右手についての練習の場合、弓の先・真ん中・元(もと)の、どの場所を使うかが指示されていて、弓の様々な場所を使えるようにしたり、どの様な箇所でも自由に弾けるようになるための本当に様々な練習方法が載っていて、基礎力が着実に底上げ出来ます。

3.「カールフレッシュ:バイオリン音階教本」

カールフレッシュは、音楽大学の受験で指定されている教本です。

音階も長くなり、さらなる高みを臨む人のための教本とも言えますが、カールフレッシュまで辿り着くことに意味があるのではなく、どんどん進むことに意味があるということでもありません。

どの教本もそうですが、最初から最後まで1度やったら終わりではなく、最初から最後までを何度も繰り返して練習することに意味があります。


・おまけ「カイザー」

ちなみに、「カイザー」という教本があり、ヴァイオリンを習っていると音階教本だと思われている方もいらっしゃいますが、正確にはカイザーはエチュード(練習曲)のカテゴリです。

一番最初にとりかかる練習曲教本で、3巻まであります。

こちらはピアノ伴奏譜も付いているので、レッスンで一緒に弾くと喜ばれる生徒さんも多いです。

ピアノ伴奏譜付き

エチュード(練習曲)はその後、クロイツェル・ローデ・ドント・ガヴィニエ・パガニーニと続きます。


最後に、音階は心とヴァイオリンを落ち着かせるためにあるものだと、私は思っています。

どんな音も、音が消える瞬間まで聴き続け、音が消えてからも聴き続ける。
音が「聴こえる」ではなくて、音を「聴く」というのはどういうことか。

音は生きているので、音の気持ちになって1音ずつ耳を傾けながら、愛情を込めて弾くことが大事なのだと思います。

機械的に弾くのではなく、音階も音楽として、一つの曲の様に想って欲しいです。

今回ご紹介した音階教本や練習曲、いずれも愛情を込めて弾き続けて、ヴァイオリンとの大切な時間になって欲しいなと思います。

早川愛美
(センター南教室・ヴァイオリンクラス担当)

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