楽器の歴史を知ろう

こんにちは。木山音楽教室 主宰の木山舞子です。

ピアノ学習者のみなさん、自分が今弾いている曲が作られた時代の楽器について、考えたことはありますか?

今私たちが使っているピアノ、実は今のような形になったのはつい最近のことです。

※以前のブログ記事でも、ピアノの鍵盤の数の変遷についてかかれたものがあります。
ピアノの仕組みーピアノの鍵盤数の歴史①
ピアノの仕組みーピアノの鍵盤数の歴史②

私はレッスンで曲の指導をする時に「この曲が作られた時の楽器って、どんなだったか知ってる?」という話をよくします。すると、結構知らない生徒さんが多い。

そのまま練習しても作曲者の意図した音楽には辿り着けないですし、何より演奏のイメージがわきませんね!

例えばJ.S.バッハの時代、鍵盤楽器といえばオルガンチェンバロでした。

でも、パイプオルガンの音や仕組み、そしてチェンバロの音や仕組みは、どちらも日本で暮らしていると普段あまり馴染みのないものかもしれません。

そんなとき、パイプオルガンの曲を聴かせて、その音の出る仕組みを説明し、実はリコーダーのような音や、クラリネットのような音など、様々な音色を出せる楽器であるということを教えると、生徒たちはみんな驚いて、そして目を輝かせます。

「さあ、このフーガのこの部分とこの部分は、強弱を変えるように書かれているけれど、それはただ音の大きさを変えれば良いのだろうか? そうではなくて、違うパイプから音を出すようなイメージでやってみようか、、、」

などと声がけすると、つまらなそうに弾いていたものが突然生き生きと輝いてきます😊

バロックの曲だけではありません。ピアノだって、今のピアノになったのはつい最近の話です。

私は以前ドイツの講習会に参加したときに、シューベルトの時代のピアノ(現代のピアノと区別されてフォルテピアノと呼ばれています)のレプリカでレッスンを受け、コンサートで演奏したことがあるのですが、タッチが現代のピアノとは全く異なり、強弱の付け方も全く異なるコツが必要でした。

フォルテピアノ

小さな生徒達の感性は素直なので、ちょっとそんな話をするだけで、曲を弾くときの指先の形やフレーズの作り方、強弱ががらっと変わることがあります。時に、こうした楽器の違いを伝えることは、他に多くの形容詞を駆使するよりもずっと音楽的に、そしてより的確に、演奏のイメージを伝えられるように思います。

楽器の歴史や音楽の歴史。そういった知識と教養は、とにかく音楽をより親しく楽しむために身につけておくと良いものです。

ぜひ皆さんも興味をもって、オルガンやチェンバロ、そしてフォルテピアノの音色、聴いて、そしてイマジネーションを広げてみてくださいね!

木山舞子

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