こんにちは。ピアノ講師の滝まりなです。
突然ですがピアノを弾くとき、親指の使い方を意識しているでしょうか?
親指は他の指と生えている方向が違います。そのおかげでものを掴めたり便利なのですが、ピアノを弾くときには少し厄介ですよね。
レッスンをしていて一番気になるのが親指の使い方なのですが、人差し指とくっついて反ってしまったり、関節の付け根がへこんでしまっている生徒さんがとても多いです。
親指以外の指を使うときは、付け根にあたる第三関節から動かしていると思います。同じように親指も付け根から動かそうとすると、第三関節はなんと手首のすぐ近くということになります。
手の中にありますからイメージするのが難しいのですが、よく言われているように親指で人差し指の側面をなぞるようにしてみると、第三関節から動かす感じが分かるかもしれません。
人差し指と親指のあいだに隙間を作ってリラックスさせ、親指は内側に軽く曲げる感じを常に意識していると、速いパッセージや幅の広い和音は弾きやすくなるはずです。
ここまではレッスンでお伝えしていることなのですが……さらに、旋律を弾くときと伴奏を弾くときでも親指の使い方は違います。
大学時代の先生から習ったことですが、旋律を弾くときは他の指で弾く音と音質を同じにするために、指の角度もできるだけ他の指のようにまっすぐの向きに近づけるのが良いようです。
伴奏は和音や分散和音の音形で出てくることがほとんどなので、ものをつかむように和音を「つかむ」ため、親指は横向きにします。
後日私の手を見た先生が、右手(旋律が多い)は親指の爪が上からよく見えて、左手(伴奏が多い)は爪が外側を向いているのが良い!と褒めてくださったのを思い出します。
さらにこのことを当時の生徒に話したところ、それは先生(私)がそういう練習をずっとしてきたからじゃない?と言ってくれたのもなんだか印象的で、今も覚えています。
無意識でも、理想の音を目指して日々練習しているうちに、手の形も少しずつ変わっていくというのは確かだと思います。質の良い練習を重ねて、理想の手を作っていきましょう♪
滝まりな
(センター南教室・ピアノ/絶対音感/ソルフェージュクラス担当)