ピアノ講師をしているとよく質問を受けるのですが…
ピアノって一体何歳から始めたら良いの?ということについて…
先に私なりの回答をしてしまうと…
はじめたいと思ったときがはじめどき!!
…なのですが、これではこれからお子さんにピアノを習わせたいと考えている方々、もしくはこれからピアノを始めたいと思っている生徒さんたちにとって、あまり参考にならないと思うので…
実際に私が教えてきた生徒さん達の例を振り返りつつ、レッスンを始めた年齢によって上達の仕方に違いがあるのか、といったことについて書いていきたいと思います。
突然ですが、私が渡仏してびっくりしたことの一つに、
フランス人は日本人に比べてピアノを習い始める年齢が高い!
という事があります。
有名なピアニストでも、6歳や7歳からピアノをはじめた、なんて話をよくききました。
対して日本の音大生はどうでしょう。ほとんどが3歳、4歳からレッスンを開始している印象で、中には2歳から始めたなんて天才も!!
だからなんとなく、未就学児のうちにはじめなくてはピアノが上達しないような気がしてしまうのですが、実際指導経験を重ねてみると、そんなことはないと言うことが分かります。
子供たちの手を見ていると、小学校入学の頃とそれ以前で手のつくりがぐっと成長してくるのがわかります。
未就学児の生徒さんの手はほんとうに柔らかくて関節も骨も未発達。
それに比べて個人差はあれど、小学校に入学してしばらくたつと指一本ずつの関節がしっかりしてくるのがわかります。細かな動きもスムーズに出来るようになります。
この頃に適切な指導によってレッスンを開始するのは、むしろ後々の成長を妨げるような悪い癖がつきにくいメリットがあるかと思います。
一例として、うちの教室の生徒さんで一年生からレッスンを開始した男の子がいますが、三年目が終わる今、演奏時の手の形が自然で力が抜けていて、打鍵の時に指の関節がそり返る事もなく、手を広げたり指をくぐらせたりするときも、力の抜けたままするする弾きます。
もちろん本人の努力も幸いしていると思いますが、身体に無理のない形で弾けていると、教材がレベルアップしても楽に弾けるようになります。6、7歳からはじめても、それ以前から習っている生徒さんに追いつき、美しい基礎を身につけてさらに遠くまで羽ばたける可能性が十分にあるということです。
もちろん上のレベルを目指すにはそれ相応の練習量が必要ですが、それは何歳から始めても同じこと。
結局は上達の秘訣は、音楽を好きな気持ちがあるかどうか…ですね😊
ピアノはとっても小さな頃から習わないと…と思いこまずに、興味があるならば是非トライしてみましょう!そして、自分はきっと上達出来る!練習すれば何でも弾けるようになる!と、夢と憧れを持つこと。
結局はその夢が、練習の原動力になります✨
ちなみに最初にあげたフランスの話ですが、ピアノのレッスンを始める前にまず教会の聖歌隊で音楽をはじめた、という話もよくききました。ヨーロッパならではなのでしょうが、合唱でソルフェージュを身につけてから楽器のレッスンに入るのは最高に理にかなっているやり方なのかも…と思います。
さて…
次回は、4歳、5歳でピアノを習い始める事のメリット、そして気をつける点を書きたいと思います😊