こんにちは。ピアノ講師の角岡里緒です。
今日は「調性」についてお勉強したいと思います。
曲には長調と短調がありますが、なんとなく、
「長調は楽しい、明るい」
「短調は悲しい、暗い」
というイメージがありますよね。
それはなぜなのでしょう?
長調とは、最も濁りのない響きを追求した結果から生まれた音階で、とても調和している音階です。そこから明るさとか楽しさ、あるいは解放感のようなイメージが感じられます。
一方で短調とは、長調の調和された響きの中に1音または2音、低い音が混ざり込みます。音を低くするということは、音にストレス・圧力をかけているということなので、暗さを感じさせ、それが精神的なストレスに通じます。なので、短調を聴いた時、人は、悲しい・寂しいと感じるのです。
また、単に明るい、暗い、だけでなく、もっと細かく調性に色を感じる作曲家も少なくないそうです。
リムスキー=コルサコフやスクリャービンなどは「ハ長調=白」などと、各長調に対応する色があると主張しています。
それと比べて短調の方は、濁らせた暗い色を連想させるので、こちらは色ではなくストレスの度合いで考えてみましょう。
この表から見ても、ストレス感がかなり強いハ短調。あの有名なベートーヴェンの「交響曲第5番運命」はハ短調で作られています。
ちなみに、私の演奏動画の「ベートーヴェンソナタ27番」はホ短調です。ストレスはそれほど感じないかもしれませんが、ものすごく哀愁漂う曲になっています。そう感じて聴いて頂けていたら嬉しいです。
新しい曲の譜読みをするときはまず
「長調なのか短調なのか?」
そこから考えてみてください。
演奏の仕方の手がかりになるかもしれません。
角岡里緒
(センター南教室・ピアノ/絶対音感/ソルフェージュクラス担当)
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