こんにちは!木山音楽教室ヴァイオリン講師の尾崎杏奈です。
秋も過ぎ11月に入り、本格的な冬が近づいてきましたね。
今回は、ヴァイオリンの歴史にまつわるお話をしてみたいと思います。
楽器の中でも比較的ポピュラーなヴァイオリンですが、一体誰がどう作って今この形になったのか、ご存知でしょうか?
そもそもバイオリンは弓を弦で擦って音を出す楽器であり、このような楽器を「擦弦楽器(さつげんがっき)」と呼びます。
この擦弦楽器の先祖とされているのは、イスラム圏の国の「ラバーブ」という楽器です。
このラバーブが中世ヨーロッパに伝えられ「レベック」と呼ばれる楽器となり、それが今のヴァイオリンのもとになったと言われています。
世にヴァイオリンが登場したのは16世紀初頭と考えられており、17世紀から18世紀にかけて、北イタリアのクレモナという地方でニコロ・アマティ、ストラディバリ一族、グァルネリ一族など著名な制作者が続出します。
そして、ラバーブやレベックなど先祖とされている楽器と比較しても、バイオリンの楽器としての完成度は並外れたものとなっていきます。
現在に至るまでに様々な時代の作曲家たちがヴァイオリンの曲を多く作り、演奏される曲の音域が増えていった結果、指板(指を押さえる黒い部分)が延長されました。さらに、それに合わせるべく、高い音域に対応するために駒が高く改良されました。
こうして、貴族たちが住む宮殿のサロンのような小さな部屋で演奏されていたヴァイオリンという楽器は、音域を増やすとともに音量も出る楽器へと進化し、色々な場面で演奏されるようになりました。
今現在使われているような改良されたものをモダン・ヴァイオリン、改良せずに昔の作りをそのまま残したものをバロック・ヴァイオリンと呼びます。
ヴァイオリンが中東の楽器からきているとは私も思いもよりませんでしたが、ピアノと違ってヴァイオリンは、世に出た時から現在に至るまでその姿を本質的には変えていません。人間が生きていく上で必要だった音楽からこのような楽器が生まれ、何百年を経てもその形を残し受け継がれてきた事実には驚きを隠せません。
自分がなぜヴァイオリンとご縁があったのかは思い返すと不思議に思いますが、これからもこの伝統的な楽器と絶えることのないクラシック音楽を多くの皆様と共に愛し、人生を素晴らしく華やかにしていくことが私は楽しみでなりません。
みなさまもそんな奇跡の楽器であるヴァイオリンとともに人生を楽しんでみませんか?
知ればきっと世界が変わりますよ♪
尾崎杏奈
(センター南教室・ヴァイオリンクラス担当)