こんにちは!木山音楽教室ヴァイオリン講師の尾崎杏奈です。
11月ですね。あと2ヶ月で今年が終わるなんて、あっという間過ぎてびっくりしています。
さて今回は、先日私がゲスト出演させていただいたとあるコンサートで感じたことをお話ししようと思います。
10月下旬、鎌倉の某サロンで今年90歳になるピアノのH先生の門下生コンサートにゲストとして呼ばれ、ヴァイオリンを演奏しました。
H先生はみんなで集まってお話ししたりわいわいと楽しく過ごすのがお好きで、90歳になっても今尚、毎年コンサートを開く際にはプログラムの絵も描き自作し、ちゃんとドレスアップもしてピアノを何曲も弾く、とても90代とは思えないようなエネルギッシュで若々しい心持ちのある方でした。
いざ呼ばれて行くと、皆さんめいっぱい音を鳴らしながら力強く何曲も演奏されていました。もちろん演奏自体にも感動したのですが、ご年配である皆さんがいつまでも音楽を楽しみ「上手に弾けないかもしれないけど頑張って弾くからご覧になって」と堂々と楽しく生き生きと弾かれている姿に輝きを感じたのです。
あまりにもお上手だったので「すごく皆さんお上手に弾かれますね」と僭越ながらお伝えすると、後々聞いたら不謹慎かもしれませんが、「もしかしたらH先生が90歳だから最後の発表会になるかもしれない」と門下生達も悔いのないように先生に捧げるつもりで頑張って曲準備をされたとのことで、本当にとてもレベルの高い演奏ばかりでした。
演奏していると「もう以前のように弾けないから」とチャレンジする活力を忘れ、控えめになってしまうことがよくあります。もしくは演奏自体を諦めてしまうことがあります。
音楽のことだけを考え音楽のために一生懸命に向き合えてた学生時代が、社会人になった今、とても恵まれてた時間だったと感じます。
もちろんその時は弾くことに全力で向き合えたので、その時に比べると弾けなくなってしまったなと自分でガッカリしてしまうこともあります。
ですが、今の自分がそこで自分はもうできないと決めてしまうのか、できないかもしれないけどちょっととりあえず頑張ってみようと前向きに捉えるのかでは大きく違ってきます。
また、今の自分しか表現できない演奏だったり音というのも存在するように思います。アマチュアだろうがプロだろうが、演奏をテクニックだけで素晴らしいと感じる前に、どんな形、どんな立場、どんな状況であっても「音楽を自ら心から楽しむ」というところに深い意味があるように感じます。
「楽器演奏」は人を生き生きとさせる魔法だと私は思っています。自分には到底できないとやる前から諦めてしまうよりも、思い切ってチャレンジすると、案外とできたりするものです。
音を楽しむと書いて「音楽」、皆様もいつまでも楽しく音楽と共に生き生きと過ごせますように♪
尾崎杏奈
(センター南教室・ヴァイオリンクラス担当)