バイオリンの音階練習方法~左手編~

皆様こんにちは。木山音楽教室ヴァイオリン講師の吉迫楓莉です。

8月に入りいっそう暑く感じられる中、楽器を片手に、もしくは背中に背負ってレッスンに通われる生徒さんたちの勤勉さに感心する日々です。

日を追うごとに確実に課題の仕上がりが良くなっている姿を見ていると、私自身もまだまだ負けてられない!と向上心が高まります。

さて、近頃ヴァイオリンの生徒さんの中でも音階練習を課題として勉強する方が増えてきまして、練習の方法に関してご質問を頂くことがあります。

今回は、バイオリンの音階練習の方法、取り組み方について書かせて頂きたいと思います。

有難いことに大人の生徒さんも沢山勉強されている方がいらっしゃるので、少しハイレベルな話も交えて進めていきたいと思います!

また音階練習はヴァイオリンのみならず、ピアノをはじめあらゆる楽器の基礎として用いられますので、是非ヴァイオリン以外の楽器の方にもご参考にして頂けると嬉しいです。

ヴァイオリンという楽器は、左右の手が違う動きをするという特性上、正しく綺麗な音を鳴らせるようになるまでが非常に難しい為、基礎力・技術力は至極丁寧に磨いていく必要があります。その部分が欠けてしまうと、特に音楽的なアプローチ、曲の解釈や抑揚、フレーズ付けなどの要素に取り掛かった時に、思うようにいかずもどかしい思いをする要因となります。

では一体どういった方法で基礎力を磨けば良いのか?

そこで登場するのが「音階/スケール」です。

音階練習は、非常に簡単な音の羅列で構成されていますが、シンプルであるが故になかなか手強いのです。

私の母校であります東京藝術大学のヴァイオリン科の入学試験では、一次試験で音階と練習曲しか弾かせてもらえません(笑)

そのくらい、基礎能力を見るには最適の素材というわけですね。良い意味でも悪い意味でも、単純明快な音の羅列は、本人の技術力をそのままさらけ出してしまいます。

それでは、ヴァイオリンの基礎に関して触れながら、音階の練習方法をお話していきたいと思います。

まずヴァイオリンにおいて最も重要と呼ぶべきは、音程の正確性!正しい音の鳴る位置を左手に覚え込ませる上で、音階ほど最適なものはありません。どこに指を置けば正しい音が出るのか、角度はどのくらいか、隣同士の指の距離はどのくらいになるか……など、感覚を研ぎ澄ませてじっくり覚えていきます。

百発百中で良い音程を取る為の第一歩として、左指の押さえ方をご自身で研究することが重要だと思います。大きい音を出す必要はありません。弱い音で良いので、ゆっくりじっくり思考しながら音を取っていって下さい。

また、左指の注意点は音程だけではありません。指を離す際に指板から離しすぎてしまってバタバタと上下運動が激しくなりすぎないこと。指を離す必要がない指や、押さえたままキープできる指を極力指板の上から離さないことなど、視覚的にも美しい取り方ができるとさらにレベルアップできると思います。

ポジション移動を既に勉強している方は、移動後の音程や、手の形の崩れなども注意すると良いですね。

このように、より美しく演奏するために必要な技能は色々あります。左手に関しては、丁寧に注意点に気をつけて練習して頂きたいので、4拍の長い音符を全弓めいっぱい使って音階を弾く練習方法がおすすめです。

それがある程度できるようになったら、スピードを上げても左指が正確に位置を捉えられるか練習していきます。

次回
バイオリンの音階練習方法~右手編~」に続く

吉迫楓莉
(センター南教室・ヴァイオリンクラス担当)

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