バイオリンの音階練習方法~右手編~

皆様こんにちは!木山音楽教室ヴァイオリン講師の吉迫楓莉です。

前回の「バイオリンの音階練習方法~左手編~」に続いて、今回は右手に関して記述したいと思います。

先述の通り、ヴァイオリン演奏においては、左右で全く違う動きをするところも難点の一つです。私は左利きの為、右手の扱いには特に苦労してきました。

美しいボーイング(弓の動き、扱い)で弾くには、右腕の軌道をどのように描けば良いのかという点に注目します。弓元弓中弓先といったそれぞれのポイントで、弓を握る手の角度や腕の伸び具合が大きく変わるのです。そのため、弓中だけを使った練習弓先だけを使った練習…といったように、弓の使用位置を限定して音階練習する方法が有効です。その上で、長い拍を全弓でめいっぱい弾く練習も取り入れると、部分練習が総括されます。

また、自身で鏡を見ながらストローク(弓の動き)を確認することも重要です。普段楽器を構えた位置から見たボーイングと、鏡で客観的に見たボーイングとでは感覚が違いますので、視覚的にも勉強してみると面白いですよ!

もちろんボーイングに関しては、解放弦で練習することも重要ですが、音階練習の中で意識的に練習することに利点があります。それは、弓の返しの際に音同士の間にできる『隙間』に注意が向きやすくなるからです。

次の音へ移行する際、右手にかかっている圧力が抜けてしまったり、あるいは弓を止めてしまえば、当然音と音の間に隙間が生まれます。音階は音の羅列で構成されていますので、その列がガタガタになったり、溝ができたりせずに、美しく音が並ぶようにしなくてはいけません。

音と音の間に隙間が生まれないようにするためには、右手のコントロールが必要となります。弓の返しのタイミングで、右手にかかっている圧力が変わらないこと。手首をうまく使って、音が止まらないように弓を動かすこと。こういった注意点に気をつけながら、音階と向き合って頂けたら良いと思います。

上記のことを行い、自然と美しく弾けるようになったら、最後はスラーをつける練習です。2つ、4つ、8つ…と少しずつ増やし、一弓を何等分するか意識しながら勉強すると効果的です。スラーがついても全ての音が同じ長さになるように気をつけてみて下さい。

左右それぞれ違うことに注意しながら練習するので、とても頭を使います。しかし、続けているうちに不思議と効果は現れます。今まで難しいと思っていた曲が不意に簡単に思えたり、できなかった箇所ができるようになったり。目に見えて効果を感じられることが、音階の最大のポイントです。あらゆる曲を引き合いに出してもなお、音階こそが一番単純に思えて、一番難しいと私は思っています。

普段自分がどのように楽器を弾いているのか、「ヴァイオリンの弾き方を見直す」作業を行うので、音階は「自分と向き合う時間」だとも言えます!

ヴァイオリンを演奏するにあたり一生付き合っていくことになるであろう音階ですが、成長の糧となる要素がたくさん詰まっています。実際に、基礎力の向上を目指す上で最も手っ取り早く確実な練習課題です。

音階を制する者はどんな難曲にも勝てる!とさえ私は思っているほどです!


是非皆様、向上心を持って音階練習に取り組んで下さいませ!

吉迫楓莉
(センター南教室・ヴァイオリンクラス担当)

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