こんにちは。木山音楽教室、声楽/ボイトレ講師の広瀬美句です。
雨の日々も明けはじめ、まもなく夏がやってきますね…暑さに弱いので早くも冬が恋しいです。わが家では木陰の梔子がこちらの憂鬱も知らず気持ちよさそうに咲いています。
今回は初めてブログの筆をとりますので、まずは気ままに、大好きな音楽家について書きましょう。
みなさんは自分が演奏する曲を書いた人物について思いを馳せることはありますか?
私は作曲家、作詞家の時代へ心をタイムスリップさせる時間が大好きです。
天才で奔放と名高いけれど実は努力の人だったモーツァルト、
ナイーヴがいきすぎて住み処の引っ越しをなんと79回もしたベートーヴェン、
お姉ちゃん子で泣き虫だったショパン、、、
偉大な作曲家も私たちと同じ人の子なので、ドジしたりケンカしたり大失敗したり、今の人と変わらないことで悩んだりしています。
人生の色んな折に書かれた曲たちには、その時の作曲家の状況、季節、喜びや悲しみや怒り、実にさまざまな情報が込められています。
有名なエピソードをひとつ。
ドイツの作曲家、ロベルト・シューマンが、同じく音楽家のクララ・シューマンと結ばれ、結婚前夜にプレゼントした歌曲集の一番はじめの曲『献呈』。
この曲の歌いはじめは“ド”の音から始まりますが、ドイツの音名でドは“C(ツェー)”。
彼は愛するクララ(Clara)の頭文字をあてたのです。
ロベルト・シューマンはこの他にもクララと結ばれた喜びをたくさんの曲に散りばめました。
その曲たちは何百年と時間が経っても、私たち後世の音楽家によって、みずみずしくシューマンの愛を蘇らせます。
楽譜に書かれている休符が、
ため息なのか?
沈黙なのか?
安堵なのか?
祈りなのか…?
そう考えるだけで、演奏はグッと色濃く鮮やかになります。
美しい演奏への道を歩く中で「作曲家を知ること、愛すること」大切なひとつかと思います。
今、興味のある曲に「どんな物語が込められているのか」ぜひ気にしてみてください♪
茹だる夏の日々へ向け、栄養あるものをモリモリと食べて、元気よく音楽をたのしみましょう!
それでは、また。
広瀬美句
(センター南教室・声楽/ボイストレーニングクラス担当)